最終節対神戸2-1、意地の勝利。中島、ロペス。

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2006年12月2日(土) 14:00 ベガルタ仙台2-1ヴィッセル神戸 ユアスタ仙台



中島
(大柴)
梁   ロペス 
(富田)   
村上 細川 菅井
      
磯崎 丸山 木谷 千葉

小針
サブは、萩原、中田、富田、大柴、ボルジェス。
長いようで短かった今季も最終節。寒く、監督問題でぎすぎすした中で15626人。試合開始前は、陽ものぞいていたユアスタも、次第に冬の曇り空へ。冷たい雨が時折降る、寒いコンディション。試合前にタオルマフラーにキスしながら、サポータの前にやってきて何度もおじぎする、サンタナ監督にも自然発生的なコールが起きる。

神戸は前節の退場2人もあり、DF有村、北本、河本の3人が出場停止。急造の守りで早速ミスが出た。ベガルタは出場停止明けの千葉が右サイドバック、菅井とふたりで三浦をマーク。村上もボランチでスタメン、強化指定の大学生細川は守備的ボランチで2試合連続スタメン。

試合開始1分、神戸三浦のロングシュート。バーの上。一進一退。5分、神戸がベガルタゴール中央25mでフリーキック。蹴るのはやはり、三浦。しかし直接のシュートは小針正面。三浦のこのキックで、怪我の影響なのか、フリーキックにいつもの鋭さがないことが判明した。7分、逆にベガルタが神戸ゴール30mのフリーキックのチャンス。シュート至らず。その後、互いにスローな展開。しかし今日のベガルタは、最近の試合とは見違えるプレスで、ボールにどんどんアタック。特に梁の運動量が豊富。11分、右サイドライン際で、うまく体をいれかえた梁がボールを奪って、前進するも、DFのバックパス、神戸GKがキックでクリアしようとするところ、梁がプレス、さらに背後から中島が追い込んで、キックミスを誘い、ボールを奪って、そのまま無人のゴールに左足で流し込んで、先制。相手ミスとはいえ、しつこいプレスが点につながった。

13分、菅井にイエロー。16分、神戸が左サイドからの放り込み、中央から頭で合わせられるが、枠外。 19分、村上が相手エリア内まで上がってのクロス、グラウンダーで通そうとするがDF。21分、神戸のほうりこみ、クリアでコーナーキック。今日のセットプレーの守りの集中はまずまず。22分、ベガルタが神戸ゴール30メートルでフリーキックのチャンス。ここで村上がキッカーを要求。シュートはグラウンダー枠内もキーパー。

25分、三浦をフリーにしてパスを出され、神戸に、エリア内で至近距離から反転シュートされるが、小針が反応。これで守備の集中が戻る。30分、ベガルタがフリーキックのチャンス。またも村上の枠内シュート、しかしキーパー。ここからカウンター応酬。ロペスが左サイドの梁とのパス交換からシュート。さらに、ロペス、中島、梁と簡単につないで梁のシュート。久々に見るベガルタの連続攻撃に、スタジアム内にどよめきが上がる。

32分、神戸のカウンター、中央フリーでシュートされるが、小針。ベガルタもすぐさま、梁が相手ひとりをかわして、中島にパス、裏に走りこんだロペスのダイレクトシュートは、キーパの好セーブに阻まれる。33分、神戸のカウンターからのシュート、バーの上。35分、菅井がドリブルでエリア内侵入、DFの間からシュートするも、ヒットせず。40分、カウンターで中島が抜け出して、ドリブル前進、エリアぎりぎりで倒され、フリーキックのチャンス。梁のキックはカーブをかけて誰かに当たれば点になる、の狙いも低く。DFクリア。

ロスタイム、神戸陣内でのスローインから、ロペスがキープ、最後は中央に上がってきた菅井のミドル、ヒットせず。前半から、菅井、村上がどんどんボールにプレスをして、梁、中島、ロペスとからみ、さらに追い越す動きも出て次々チャンスを作る。守備では細川が高さをいかし、ハイボールをクリア。菅井と千葉が二人で三浦にまとわりつく。神戸は、緊張からか、足が動かず、ベガルタのプレスに散発的なカウンター攻撃に終始した前半。

後半。神戸がピッチを広く使ったワイドな展開でゆさぶりをかけてくる。5分ベガルタ、中島からのサイドチェンジ、梁がフリーでシュート。続くコーナーからは村上がヘッドのロングシュート狙うが、キーパー。7分、梁がドリブルで上がり、中島がシュート。こぼれを攻撃参加してきた千葉が拾ってクロス。また、コーナー。得点にはならないが、細川の加入で得点の匂いはしてきた。10分、神戸のカウンター、放り込みで反転シュート枠内に打たれるも枠外で助かる。

11分ロペスがサイドで粘ってボールをキープ、中央に上がってきた菅井がヘッドで狙うが、枠外。15分、神戸がベガルタゴール中央30メートルでの、フリーキック。三浦のキックは大きくはずれる。17分、こぼれ球を村上の豪快なミドル、しかしキーパー。そして19分、上がった磯崎から出たパスを、中央走りこんだフリーのロペスが、糸をひくような豪快ミドル25mでゴール隅に決め2点目。さらに菅井のミドルシュートでたたみかける。22分、菅井がエリア内侵入、もう一歩。ロペスの反転シュート、キーパー。焦り始めてミスが目立つ神戸を尻目に、次々と攻撃。

27分には、菅井が中央からチャンスメーク、裏を取った中島が左サイド、どフリーでシュート、サイドネット。33分、村上が30メートルフリーキックを、ロペスばりの糸を引くようなシュートで枠内飛ばすが、やや中央でキーパー。村上の気迫がボールに乗り移ったようなシュートだった。40分にも惜しいフリーキック。43分、神戸の三浦が2枚目イエローで退場、神戸10人。三浦は入れ替え戦に出場できなくなった。そちらの方が痛いかもしれない。

しかし、神戸はこれで開き直り、どんどん前がかりで攻めてくる。ほうりこみに防戦気味となるベガルタ。懸命にラインを上げろと指示する丸山。43分、ここで中島に代わり大柴入る。早速サイドに動いてボールをキープ、相手をじらす。しかしロスタイムに、ベガルタゴール前での密集から意表をつくシュートを決められ1点差となる。しかし今日のベガルタは慌てることなく、ボールを前にすすめ、相手のファールを誘い、相手の自滅を待つ。終了直前に梁の代え富田をいれる、お約束の時間使いで逃げ切った。

戦力外通告を受けている村上の鬼気迫る、プレー。梁の運動量、中島のプレス。さらにロペスもからめてワンタッチでボールをつないで侵攻した。守備でも千葉や菅井、そして木谷までが積極的にパスを読んで前へ、前へという気持ちが全面に出たいい試合だった。自動昇格がかかる神戸を、気持ちと動きで圧倒した。シュートも相手の倍近い20本。やればできたのだ。。


試合終了後、感謝セレモニー。陽も沈んでてさらに寒くなる。社長挨拶の時には、雹のような大粒の雨が、一段と強く激しく社長の頭を打ちつける。コートも着ずに挨拶する名川社長。一度失った信頼を回復するのは簡単なことではないですよ。サポ自エリアには「いつまでもあると思うなサポと金」の大弾幕。

解任となったサンタナ監督と戦力外となった村上キャプテンの涙ながらの挨拶。サンタナは「がんばれベガルタ、がんばれ仙台」。村上は「これからもベガルタのユニを着て戦う選手を暖かく応援してほしい」。最後は涙で言葉にならなかった。年間MVPはロペス。そして、選手たちが場内一周。高桑も涙ぐんでいた。去るひとたちがチームを愛していたことだけは、間違いない。


シュート数:21-11、CK:5-3、FK:30-21 得点:中島裕希、ロペス  (神戸)近藤  警告:菅井  (相手)平瀬、丹波、三浦2=退場、田中、朴 主審:扇谷健司